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独自の不動産店舗の方向性

不動産店舗のホームページの現状

不動産店(店舗)でホームページを運用する場合、ホームページ制作業者から「物件数を増やすこと」、「ブログを書くこと」を勧められます。確かに、「物件を登録すること」、「独自の情報を発信すること」は重要です。

しかし、やっていくうちに「成果が出た」となるでしょうか?

成果とは何を指すでしょうか? まずは「お問合せ」だとしても、月何件のペースしょうか?

キャンペーンやリニューアルを企画する場合、「今現在成果が出ていない」という現実が有るのではないでしょうか。

ポータルサイトとの棲み分け

複数の大手不動産ポータルサイトと自社サイトを併用している会社(店舗)も多いのではないでしょうか。

「自社サイトで集客ができたらポータルサイトから撤退」とか、「複数のポータルサイト出展と自社サイトを連携して効率化を」など、「集客はポータルサイト」+「自社サイトで成約」をとか。様々な方向性があると思います。

いまからの不動産店舗ホームページ運営

コンテンツSEO

Googleの方針転換で、従来の外部リンク型のSEOは消え、コンテンツSEOが主流であると言われています。

コンテンツSEOとは、「どれだけ検索ユーザーに最高のコンテンツを届けるか」を重視した「利用者のためのSEO」です。

検索した結果表示されるページに「欲しい情報」が記載されているという。ごく普通の、自然な、そしてもっとも重要な発想です。

コンテンツSEOにふさわしいコンテンツ

コンテンツSEOにふさわしいコンテンツの内容、書き方は?

小手先のテクニックを駆使するのではなく、ユーザーの要求する疑問、欲求に応え、真に役に立つコンテンツを提供する。のですが、じつはこれが、なかなか難しい。

しかも、マーケティングのプロに任せては意味がなく、運営者、サイト側自ら書く必要があります。なぜなら、(外部の)マーケティングのプロがあなたの店舗の売りを理解したり、業界の機微を細部まで理解するには限界があり、仮にできたとしても費用がバカにならないからです。

コンテンツはあくまで店舗側で

かといって、マーケティング素人がいきなりコンテンツSEOにふさわしいコンテンツを書けるかというと、こちらも無理があります。

そこで重要になってくるのが、店舗側とサイト制作者(運用サポート)の連携になります。

サイト制作者は店舗ホームページ運営に必要な動的機能を追加/随時変更・調整する。店舗側は、動的機能に乗り投稿、より細やかな情報発信を行う。というように運営側と制作側のタッグにより、より良いコンテンツを発信することが重要になります。

不動産ホームページのための仕組みとコンテンツ
(検索クエリからのニーズ)

検索クエリからのキーワードを抽出する

物件検索機能を持っていることが前提ですが、解析ツールなどから、実際の検索クエリを調査します。その結果、取得できたキーワードを組み合わせてロングテールキーワードを作成します。

特集ページ

ニーズに傾向が顕著な場合、特集ページやバナー/リンクを適所に追加します。

<サイト内検索では、このようなクエリが発生してます

  • 賃貸/家賃40000〜65000
  • 賃貸/家賃〜65000
  • 賃貸/家賃35000〜900000
  • 賃貸/家賃〜200000
  • 賃貸/家賃30000〜120000
  • 賃貸/家賃40000〜70000
  • 賃貸/家賃〜200000
  • 賃貸/家賃30000〜150000
  • 賃貸/家賃50000〜90000
  • 賃貸/家賃40000〜170000
  • 賃貸/家賃35000〜400000

この事例のサイトは、「家賃」以外にも「エリア」、「沿線」、「建物構造」、「間取り図の有無」、「外観写真の有無」、「間取り」、「面積」、「駅徒歩」、「築年数」を指定できます。上記は、実際の上位クエリを抽出したものですが、ユーザーは、「家賃」以外を絞り込みの要素に加えている様子はありません。

コントロール(フォーム)の再考

このサイトは「マンション名指定」、「家賃範囲指定」のコントロール(フォーム)が、ほぼ全ページにあるのに対して、他のの絞り込みコントール(フォーム)は検索結果ページのみに配置されています。そのため利用されていない可能性もあります。改善点として、「家賃」、「マンション名」以外のコントロール(フォーム)の位置を目立つ(いつでも使える)位置に配置し直す必要があるようです。

※ 上記クエリには「マンション名」クエリの記載はさし控えてます。

不動産ホームページのための仕組みとコンテンツ
(建物詳細ページ)

1)更新日を表記する。

いつの時点の情報なのかを明記することは最低限のマナーです。検索エンジンにも人間にも最終更新日を知らせます。

2)データを常に正確に更新する。

発信するデータは、常に最新はもちろん「今日の情報は昨日見たデータより正確で正しい」事がリピータを増やす事になります。いつまでたっても更新が入らないホームページにリピータはありません。検索エンジン(クローラー)も同様です。

3)特徴を提示する。

建物周辺や、共用部分で現地に行かなくては知り得ない情報を提示します。現地を見てみればわかることですが、案内の時は、時間が足りなかったり、気が付かなかったり、建物の端から端まで見て回れないことが多いです。

内見後、考慮中のお客様が再度スペックを確認するためにホームページを見てくれる事もあります。その時、見落とした事や、思いもつかなかったことが記載されていたらどうでしょう? このサイトに来ればチョット違う!となるのではないでしょうか。

当然ながら、物件を視覚的に訴えるのは有効です。写真や動画はなるべく多く掲載します。

4)物件の様子を報告する。

外装補修、共有部分の状況など。活きた建物情報を報告します。

5)物件周辺の様子を報告する。

隣にコンビニが出来た。◯◯大学通学良!など。この物件で暮らすイメージが湧くような発信をします。

6)表示中詳細と同様の条件希望者へのコントロール。

お問合せフォームを置くと同時に、「このマンションに住みたい」、「同様の条件のマンションに住みたい」など、簡単に問い合わせ(登録)できるフォームを配置することでユーザーの便宜を図ります。

7)ソーシャルボタン、ブックマークボタンを配置する。

ソーシャルボタン、ブックマークボタンを配置することでリピートへの足がかりを増やします。

不動産ホームページのための仕組みとコンテンツ
(部屋詳細ページ)

1)更新日を表記する。

建物詳細ページと同様。

2)データを常に正確に更新する。

建物詳細ページと同様。

3)特徴を提示する。

内見をしてみないと知り得ないこと。家族構成やペット可否を踏まえた提案など。冷蔵庫・洗濯機などの置き場所や台所回りの導線など。既設エアコンのパワー、冷蔵庫設置場所のサイズなど、後で「そういえば」と思うような箇所の数字があれば最適です。

4)物件の様子を報告する。

リフォームn年、クリーニング済、畳替えなど。部屋特有の歴史。他の部屋との違いなどを報告します。

当然ながら、物件を視覚的に訴えるのは有効です。写真や動画はなるべく多く掲載します。視覚的要素は多ければ多いほど効果があります。部屋の中は内見しないと見れませんが、何度でも無制限に内見できるわけではなく、時間も限られているため、ホームページで存分に内見できるのは非常に便利で、好感度↑です。

5)同条件の物件希望コントロール。

「同条件の部屋が空いたらお知らせ」のリクエストを簡単にできるようにします。

6)内見希望受付コントロール。

内見希望の受付フォームを配置し、簡単に内見申込ができるようにします。

7)表示中詳細と同様の条件希望者へのコントロール。

「この部屋と同条件の部屋の検索」や「この部屋と同じような部屋を紹介して」がすぐできるようなフォーム/ボタンを配置します。

8)契約手続き中の方へのコントロール。

契約手続き進行中のお客様用のボタン(フォーム)を配置します。顧客の便宜を図っている事が、一見のユーザーにも伝わります。

9)入居者向けコントロール。

自社が仲介した部屋に関しては、居住中のお客様専用のアクセスボタン(フォーム)を配置します。居住中のお客様を明示的にサポートする。と同時に始めて見たユーザーも同社仲介で入居すれば、その後もサポートを受けられる旨のアピールになります。

10)ソーシャルボタン、ブックマークボタンを配置する。

建物詳細ページと同様です。

不動産ホームページのための仕組みとコンテンツ
(会員制)

会員制にし、ユーザー登録/顧客管理/入居者管理につなげます。ログインすることで便宜をはかります。最初は会員特別割引などの特典でなどで優遇するなどして会員を集めます。

1)ユーザー登録推進。

2)ユーザー登録すれば、問い合わせが楽。

3)ユーザー登録すれば、ブックマーク→問い合わせが楽。

4)ユーザー登録すれば、ブックマーク→内見希望が楽。

会員制について

不動産業界、特に賃貸の価格競争は「紹介手数料無料」があたりまえのようになりつつあり、不動産店舗として、「価格競争路線」でゆくのか「付加価値路線」にするか、重要な転機を迎えています。

確かに需要は消えないのですが、供給が過多(多重:一つの物件を各店舗が紹介)になっており、ユーザーは、誰が見ても同一の物件を、価格で見るか、付加価値で見るか。迷います。

価格競争は終焉が来ます。はやめに「付加価値路線」に切り替えるために会員制にして、居住中の顧客からも「つぎにマンションを探す時もやっぱり○◯にたのもう」、「面倒見がいいから◯◯に紹介しよう」という連鎖を作ることがこれからの不動産店舗ではないでしょうか。

不動産店舗ホームページのこれから

ホームページは安心感、名刺・会社案内代わりという時代はとうに過ぎ、ポータル/ランディングページから集客〜自社ページにて成約という時代になってきました。

自社ホームページで、不動産ポータルで提供している情報+「不動産ポータルで提供できない情報」を提示することが急務になっています。自社ホームページの情報量&質がポータルより劣っていては話になりません。

自社ホームページにリピートしてもらうため、物件情報をリアルタイムで更新するとともに、他社ホームページで掲載していない(できない)コンテンツを提示する必要があります。

「最初に一旦見ておこう」、「いつ見ても最新」、「念のため見ておかないと損する」というホームページ。さらに「依頼しておけば知らせてくれるので便利・安心」、「進み具合がよく見えて安心」、「契約後も親切・安心」、「これからも、、、」というように繋げていくのが肝要ではないでしょうか。  

 

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